自動車名義変更の流れ(普通車)

あなたも運輸局に行ってみると分かると思うのですが、運輸局の建物内部には長いカウンターがあって番号が振られた窓口がいくつも並んでいます。

当然ながら、運輸局は名義変更だけを仕事としているわけではありませんから、それぞれの手続きに応じた窓口に行って手続きを行わなければなりません。

何を行う窓口であるかは看板によって表記されているので、冷静に判断すれば迷うことはありません。

しかし、人であふれて混雑していたり窓口の担当者が忙しそうに事務処理を行っていると、その雰囲気に吞まれてしまって妙な不安感を抱いてしまい、どうしたらよいか分からなくなってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回は自動車名義変更の流れをまとめてみることにしました。

ここで手続きの流れを前もって理解していただき、文字通り流れるように手続きを終わらせてしまいましょう。

なお、ここでは小牧自動車検査登録事務所での流れを案内図に合わせてご紹介していきます。

小牧自動車検査登録事務所の案内図

建物内部の間取り


画像をクリックすると拡大できます。

地図を見ていただくとご理解いただけると思いますが、小牧自動車検査登録事務所は愛知県自動車会議所小牧事務所と隣り合っていて、連絡通路でつながっています。


名義変更をはじめとする手続きは、この建物を行き来して手続きを進めていくことになります。

なお、窓口の番号は、実際の窓口の番号と同じです。

自動車名義変更の流れ

まず手続きの流れをざっくりご確認ください。なお、ナンバーが変わらない場合とナンバーが変わる場合で異なりますのでご注意ください。

<ナンバーが変わらない場合>

  1. 7番窓口で申請書を購入する。
  2. 8番窓口で収入印紙を購入する。
  3. 10番窓口で自動車税の申告をする。
  4. 1番窓口で書類を提出する。
  5. 2番窓口で新しい車検証の交付を受ける。

<ナンバーが変わる場合>

  1. 7番窓口で申請書を購入する。
  2. 8番窓口で収入印紙を購入する。
  3. 1番窓口で書類を提出する。
  4. 2番窓口で新しい車検証の交付を受ける。
  5. 10番窓口で自動車税の申告をする。
  6. 14番窓口でナンバープレートを返納する。
  7. 12番窓口でナンバープレートを購入する。
  8. 新しいナンバーを取り付け、封印をしてもらう。


ではそれぞれ具体的に確認していきたいと思います。

1. 7番窓口で申請書を購入する。(共通)

まずは南側の自動車会議所の建物内にある7番窓口で申請書を購入してください。

申請書は普通車と軽自動車で異なりますので、間違えないようにしなければなりません。不安があるときは「普通車(軽自動車)の名義変更です。」と行いたい手続きを伝えれば、窓口の担当者が適切なものを渡してくれます。

なお、名義変更のための申請書は1通30円となっています。(※現在は無料)

申請書は必要事項を記入しなければなりませんが、現地で記入するのが一般的です。窓際にはテーブルと椅子がありますので、座って記入することができます。

記入例も備え付けられていますので分からない方は記入例を見ながら記入をしてください。

平成29年1月から申請書がダウンロードできるようになりました。

これまでは窓口で申請書を購入し、その場で記入しなければなりませんでしたが、平成29年1月からインターネットで申請書をダウンロードできるようになりました。
これにより、あらかじめ記入した申請書を持参することができるようになり、混雑が解消されるかもしれません。
なお、インターネット環境が整っていない方は、運輸局に行けば無料で配布されていますのでご安心ください。

2. 8番窓口で収入印紙を購入する。(共通)

申請書を購入した隣の窓口で収入印紙を購入します。

収入印紙は手続きの手数料です。名義変更の場合は500円の印紙を購入してください。なお、住所変更は350円となっています。

なお、収入印紙は全国共通ですから必ずしも運輸局の窓口で購入しなければならないものではなく、郵便局やコンビニで購入したものでも構いません。

少しでも混雑を避けたい方はあらかじめ申請用紙や収入印紙を準備しておくとよいでしょう。

ナンバーが変わらない場合

ここからは、ナンバーが変わる場合と変わらない場合で手順が変わってきます。

まずは、ナンバーが変わらない場合からご紹介することにしましょう。

ナンバーが変わらない場合とは?

自動車は、その使用者が主として車を使用する地域(使用の本拠)を管轄する運輸局に登録することになっています。小牧自動車検査登録事務所で例えると、もともと尾張小牧ナンバーの自動車を同管轄内で車を使用する人に名義変更する場合などがこれに該当します。

3. 10番窓口で自動車税の申告をする。

10番窓口で自動車税の申告を行います。

毎年5月くらいになると自動車税の支払票が届くことはドライバーの方ならよくご存知だと思いますが、自動車税は毎年4月1日時点で自動車の所有者となっている者に対して課税される都道府県税(軽自動車は市町村税)です。

自動車の名義を変更すると、次の年から課税対象となる者が変更されるわけですから、その事実を税事務所にお知らせしなければならないわけです。

申告は、備え付けの「自動車取得税・自動車税申告書」に必要事項を記入して窓口に提出します。

申告書には押印する箇所がありますが、押印はなくても手続きは可能です。また、委任状がなくても所有者以外が手続きできます。

つまり、「税金を支払う者を把握できればよい」というような感じの手続きです。

また、一定の自動車は自動車取得税が課税されることがあります。自動車取得税が課税される場合はここで納付します。

自動車取得税・自動車税申告書の様式


画像をクリックすると拡大できます。

現物は複写式となっており、上記の画像を印刷して利用することはできませんのでご注意下さい。

4. 1番窓口で書類を提出する。

税申告が終わったら、1番窓口でいよいよ書類を提出します。


ここで戸惑ってしまう方がよくいらっしゃるのですが、窓口の前で書類を持って立っていても窓口担当者は書類を直接受け取ってはくれません。黙々と事務処理をしています。

まるで無視されているように感じてしまい動揺してしまいがちなのですが、担当者は決して無視しているわけではありません。

なぜなら、書類の提出の仕方として直接手渡しするのではなく、窓口横に設置されているBOXに各自で書類を入れる仕組みになっているからです。

書類の提出の仕方は、まず発券機がありますのでボタンを押します。ボタンを押すと整理券が2枚出てきますので1枚を書類と一緒にして据え置きのクリップ等で留め、もう1枚は無くさないように持っていてください。

クリップで留めた整理番号と書類をBOXに入れて申請完了です。

5. 2番窓口で新しい車検証の交付を受ける。

最後に2番窓口で新しい車検証を受け取ります。

受付から交付までしばらく時間がかかるため、ここが最も混雑しているところでもあります。

新しい車検証が完成すると番号で呼ばれますので、そこで持っている整理券と車検証を交換します。このとき周りがザワザワしていて担当者の声がよく聞こえないこえず呼ばれても気付かないことがあるのですが、整理番号が表示されるディスプレイが設置されているので安心です。

ですから、窓口の前でずっと待ち続ける必要はなく、トイレ休憩をしたり一時外出して数時間後に戻ってきて受け取ることも可能です。ただし、開庁時間を過ぎると受け取ることはできませんのでご注意ください。

お疲れ様でした。

車検証の所有者・使用者の欄を確認し、きちんと名義変更が完了してれば手続きはこれで終了です。

ナンバーが変わる場合

ここからは、ナンバーが変わる場合の流れをご紹介していきます。

なお、①申請書の購入、②収入印紙の購入までは全く同じですので省略し、2番目の手続きからご紹介することにします。

ナンバーが変わる場合とは?

小牧自動車検査登録事務所で例えると、尾張小牧ナンバー以外のナンバーを付けている車を尾張小牧の管轄内で主として車を使用する人に名義変更する場合などが該当します。(三河ナンバー → 尾張小牧ナンバーなど)

3. 1番窓口で書類を提出する。

ナンバーが変わらない場合は書類を提出する前に税申告をしますが、ナンバーが変わる場合は税申告より前に書類を提出します。

これは、自動車税の納税義務者は新しい所有者に変更されなければならず、その新所有者が誰であるかを車検証にて確認するため、税申告よりも先に名義が変わった新しい車検証の交付を受ける必要があるからであると考えられます。

詳しい説明はナンバーが変わらない場合と同じですので省略します。

4. 2番窓口で新しい車検証の交付を受ける。

1番窓口で書類を提出したらすぐ隣の2番窓口で新しい車検証が交付されますので、それまでしばらく待機します。

詳しい説明はナンバーが変わらない場合と同じですので省略します。

5. 10番窓口で自動車税の申告をする。

ナンバーが変わらない場合は、新しい車検証が交付されてから自動車税の税申告を行います。

詳しい説明はナンバーが変わらない場合と同じですので省略します。

6. 14番窓口でナンバープレートを返納する。

新しい車検証を受け取り、税申告をしたあとは新しいナンバープレートを交付してもらうため14番窓口で現在のナンバープレートを返納します。

現在のナンバープレート(前後2枚)は各自ドライバーを使って取り外してください。このとき、封印は壊して構いません。

なおドライバーを持っていない方は窓口の担当者に申し出れば貸してくれます。

取り外したナンバープレートを14番窓口の読取機に上向きで並べて置きます。すると読取機がナンバーの番号等を自動で読み取り、ナンバーがディスプレイに表示されます。

ディスプレイの表示が実際のナンバープレートと同じか確認のうえOKボタンを押して下さい。ボタンを押すとナンバープレートが下に落ちる仕組みになっています。

次にシールが出てきますので、そのシールを手数料納付書の自動車登録番号返納確認という欄に貼って返納は完了です。

画像をクリックすると拡大できます。

封印はどうやって壊す?

封印は、見た感じがなんとなく頑丈そうですが、実は全然頑丈ではなく簡単に壊すことができます。

ボルトを外すためのドライバーでグッと押し込んでみてください。あっさり突き破ることができると思います。突き刺さったらテコの原理でグイっとやれば簡単に取り外すことができます。

7. 12番窓口でナンバープレートを購入する。

これまでのナンバープレートを返納したら12番窓口で新しいナンバープレートを購入します。

ナンバープレートの番号は、希望ナンバーでない限り車検証が交付される際にランダムで決定されます。

窓口にはたくさんのナンバープレートが保管されており、窓口担当者が車検証の記載されたナンバーの番号を確認して同じ番号のものを渡してくれます。このとき、新しいボルトと封印も同時にもらえます。

ちなみに、通常のナンバープレート(ペイント式)の料金は1,460円(愛知県)です。

窓口巡りはこれで終了です。

8.新しいナンバーを取り付け、封印をしてもらう。

新しいナンバープレートを入手したら各自で取り付けます。ただし、封印はせずにボルトで固定するだけにしてください。

なぜなら封印は担当職員によって取り付けられなければならないと法令で定められているからです。

ナンバープレートをボルトで固定したら、建物の前にあるアーチ状の屋根のある封印場へ車を移動します。

そこで担当職員に封印を渡すと、車検証の車台番号と車本体の車台番号を確認し間違いなければ封印をしてくれます。(※車を当日に持ち込む場合は封印は職員の方が持っています。)

たいへんお疲れ様でした。これですべて終了です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

大体の流れは掴んでいただけたでしょうか?

手順としてはそれほど多くないと感じるかもしれませんが、実際は窓口で行列に並んだり車検証交付で待たされたりしますし、合わせて申請書等の記入もしなければなりませんので思ったよりも手間取ってしまうかもしれません。

ですから、混雑解消という意味では申請書をダウンロードできるようになったのはユーザーにとってうれしい改正となるのではないでしょうか。

今後、このホームページでは申請書等の記入方法についても公開していこうと思っています。

参考になれば幸いです。